LDO¶
概要¶
LDO(Low Dropout Regulator)は、入力電圧から安定した出力電圧を生成する線形レギュレータの一種である。
DCDCコンバータと異なり、スイッチング動作を行わず、余分な電圧を熱として消費することで電圧を安定化する。
動作原理¶
LDOは入力電圧と出力電圧の差を利用して電圧を制御する。
例:
5V
↓
LDO
↓
3.3V
この場合、余分な1.7Vは熱として消費される。
ドロップアウト電圧¶
LDOには「ドロップアウト電圧」と呼ばれる最小電圧差が存在する。
例:
出力電圧:3.3V
ドロップアウト電圧:0.2V
の場合、
入力電圧 ≥ 3.5V
が必要となる。
入力電圧が不足すると正常な電圧を出力できない。
効率¶
LDOの効率は入力電圧と出力電圧の比によって決まる。
計算式:
効率 ≒ 出力電圧 ÷ 入力電圧
例:
5V → 3.3V
の場合
3.3 ÷ 5 = 66%
となり、残りは熱として失われる。
利点¶
-
回路構成が簡単
-
ノイズが少ない
-
出力電圧が安定している
-
外付け部品が少ない
-
実装しやすい
欠点¶
-
効率が低い
-
発熱が大きい
-
大電流用途に向かない
-
バッテリー駆動では消費電力が増える
DCDCとの比較¶
| 項目 | LDO | DCDC |
|---|---|---|
| 効率 | △ | ◎ |
| 発熱 | △ | ◎ |
| ノイズ | ◎ | △ |
| 回路規模 | ◎ | △ |
| 実装難易度 | ◎ | △ |
| 大電流対応 | △ | ◎ |
主な用途¶
ノイズに敏感な回路¶
-
ADC
-
センサ
-
アナログ回路
-
RF回路
小電流回路¶
-
マイコン補助電源
-
リファレンス電源
設計時の注意点¶
発熱計算¶
LDOの損失は以下で求められる。
\(P=(V_{in}-V_{out})I\)
例:
5V → 3.3V
電流 100mA
の場合
(5 - 3.3) × 0.1 = 0.17W
の熱が発生する。
入出力コンデンサ¶
データシートで指定されたコンデンサを配置する。
-
入力コンデンサ
-
出力コンデンサ
最大出力電流¶
必要な電流を十分供給できるか確認する。
Asterでの利用¶
Asterでは主電源としてDCDCコンバータを使用する。
LDOは必要に応じて、ノイズに敏感な回路へ安定した電源を供給する際に利用できる。
入力電源
↓
DCDC 3.3V
↓
LDO(必要時)
↓
高精度センサ・アナログ回路
現在のALEO構成では、STM32・IMU・OLEDはDCDCのみで動作可能なため、LDOは必須ではない。