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発熱計算

概要

電子部品は動作中に電力を消費し、その一部を熱として放出する。

発熱を考慮せずに設計すると、

  • 部品の寿命低下

  • 誤動作

  • 性能低下

  • 最悪の場合は故障

につながるため、回路設計時には発熱量と温度上昇を確認する必要がある。


発熱量の計算

抵抗成分による損失はジュール熱として発生する。

発熱量は以下の式で求められる。

\(P=I^2R\)

記号 意味
P 発熱量 [W]
I 電流 [A]
R 抵抗 [Ω]

計算例

内部抵抗が

0.258Ω

であり、

流れる電流が

0.66A

の場合、

\(P=(0.66)^2\times0.258\)

となる。

計算すると

約0.112W

の熱が発生する。


熱抵抗

発熱量だけでは部品温度は分からない。

温度上昇を求めるために熱抵抗(Thermal Resistance)を使用する。

熱抵抗は

℃/W

で表され、

「1W発熱したとき何℃温度が上昇するか」を示す。

例:

40℃/W

の場合、

1W発熱
↓
40℃上昇

を意味する。


温度上昇の計算

温度上昇は以下の式で求められる。

\(\Delta T=P\theta_{JA}\)

記号 意味
ΔT 温度上昇 [℃]
P 発熱量 [W]
θJA 熱抵抗 [℃/W]

計算例

発熱量

0.112W

熱抵抗

41.1℃/W

の場合、

\(\Delta T=0.112\times41.1\)

となる。

計算すると

約4.6℃

温度上昇する。


実際の部品温度

部品温度は周囲温度を加算して求める。

\(T=T_a+\Delta T\)

記号 意味
T 部品温度 [℃]
Ta 周囲温度 [℃]
ΔT 温度上昇 [℃]

計算例

周囲温度

25℃

温度上昇

4.6℃

の場合、

部品温度 = 29.6℃

となる。


熱抵抗の種類

データシートには複数の熱抵抗が記載されていることがある。

記号 意味
θJA 接合部→周囲空気
θJC 接合部→ケース
θJB 接合部→基板

一般的な発熱計算では θJA を使用する。


設計時の注意点

最大電流ではなく実使用電流を見る

瞬間的なピーク電流よりも、長時間流れる電流の方が発熱へ与える影響が大きい。


周囲温度を考慮する

室温25℃だけでなく、

  • 夏季

  • 密閉ケース内部

  • 屋外

なども考慮する。


データシートの最大接合温度を確認する

多くのICでは

125℃
〜
150℃

程度が上限となっている。


基板も放熱に寄与する

放熱パッドやGNDプレーンを設けることで実際の温度上昇は低下することがある。


まとめ

発熱計算は、

  1. 発熱量を求める

  2. 温度上昇を求める

  3. 周囲温度を加算する

という流れで行う。

設計段階で温度を見積もることで、部品選定や放熱設計の妥当性を確認できる。